移設が事業計画の幅を拡げます。

2024年最初の投稿となります。
旧年中はお世話になりました、本年もよろしくお願い致します。

さて、今回取り上げる内容はテント倉庫の「移設」に関してです。
建物の移設工事というものは非常に大掛かりなものとなるケースが多く
頻繁には実施されていません。
今回はあえてその移設工事について取り上げるのは
移設することが比較的容易であることで環境への負荷や有事の対応力を
高めることができると考えているからです。

テント倉庫の移設とはどういうものなのか、お話していければと思います。

テント倉庫はシンプルな構造

私は以前は木造戸建て住宅に関わる仕事をしていました。
建物の移設ということでは曳家という言葉がイメージされます。

建物を解体せず、そのまま移動させることを曳屋といいます。
例えば、道路拡張による建物の移動や、建物を残し、基礎の修理や地盤補強をのみを行う場合
日当たりの改善などを目的にして、家の向きを変える場合などです。

かなり大掛かりな工事となるケースが多く、一般住宅で実施ることは稀で
歴史的建造物などを残すために用いることが多いというイメージがあります。

テント倉庫の場合構造が非常にシンプルで構造体は鉄骨と生地で構成されています。
結合もボルトにより固定を行っており、解体することが非常に容易です。
その構造上の特徴を活かし、移設工事を行うことが比較的容易に実現できます。

経済的・環境的影響

テント倉庫の移設は経済的・環境的にも有益な選択肢です。
新しい建物を建築するよりも既存の建物を再利用する方が
資源の消費を減らし、廃棄物の削減にもつながります。

昨今、環境への配慮・取り組みは企業を運営していく上で
欠かせない要素となってきています。

生産性や利益といった部分だけでなく、如何に地球にやさしい活動ができるのか。
この点への取り組みはより重要なものとなっていくでしょう。

短工期による事業活動への影響

移設工事が大掛かりとなってしまう場合、現在の事業活動への影響が考えられます。
ただ、テント倉庫の場合、大きさにもよりますが、移設工事自体は1週間以内で完了することがほとんど。
よって、現在の事業活動への影響を最低限に抑えることができます。


既存のテント倉庫を解体、鉄骨、生地を移動し、すぐに建築に取り掛かることが可能です。
通常利用されているテント倉庫であれば、風荷重・耐震性も考慮し設計・建築されており
鉄骨のメインフレームに歪みが発生していることは稀です。

テント生地の張り替え時期が遅れ、経年劣化による破れ等から
雨が鉄骨を腐食させていなければ そのまま使用することができます。
よって、移設工事なども視野にテント倉庫を建築する際には適時のメンテナンスを実施していきましょう。

移設が事業計画の汎用性を高める

私たちのお客様は製造業の企業様が非常に多くなっています。
製造業の場合、取り扱う製品が増加したり、期間によって工場全体のレイアウトの見直しを図る
ケースが多いとも感じます。
テント倉庫が移設可能であれば、レイアウトの最適解の可能性は高まり
事業計画に汎用性を高め、生産性向上に寄与することも高まります。

終わりに

いかがだったでしょうか。
建物というと基本的には不動のものであり、建物の配置により動線が決まってしまうことは多いと思います。
そのような場合、効率性が低下してしまうこともやむなしと考えているケースは多くあるのではないでしょうか。

建物自体を移設することにより、可能性が高まる。
また資源の抑制にもつながることは最適な事業活動を行っていく上で判断材料に加えて頂ければと思います。

この記事を書いたのは:
小出 純

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